静かな随筆
日記、紀行、暮らしの観察。朝の便を待つ三十分に。
港綴じは、瀬戸内の小さな待合所のとなりにある架空の書店です。旅の速度を落とす随筆、短い小説、便箋、島の小冊子を置いています。
大きな分類名より、船の行き先に近い言葉で棚を分けます。読み終えたあと、封筒に一文だけ残したくなる本を中心に。
日記、紀行、暮らしの観察。朝の便を待つ三十分に。
石垣、古地図、港の聞き書き。少部数の冊子棚。
余白のある短篇集、便箋、ポストカードを一緒に。
宿に戻ってから開く詩、翻訳文学、薄い文庫。
店主の言葉は広告よりも、船の掲示板に近く。入荷や天気を短く記します。
フェリーが少し遅れました。待合のベンチで読める薄い本を入口に移しました。
古い航路を歩く随筆。地図を開かなくても、ページの端に小さな島影が見えます。
本を一冊買った方へ、活版の栞を一枚。旅の途中でなくさないよう少し厚めです。
雨音が強い日は、店奥の二席を読書席にします。長居してかまいません。
営業時間は季節で少し変わります。最終便の前には、文庫と栞だけ買える小窓を開けています。